社員研修

企業が実施する各種研修。企業において雇用者が求める職務を労働者(社員)が遂行するにあたり必要な技術や知識を教育すること。
 
研修には新規雇用された社員を対象とした新人研修や現職の労働者のさらなる職務遂行能力の向上を目指して行われるスキルアップ研修、管理職に管理能力を身につけさせるためのマネジメント研修などがある。
通常研修は他の社員の職務遂行に支障が出ないように、また研修受講者(研修者)が集中して学習でき、かつ多くの研修者を効率良く教育するために研修者は職務遂行現場から隔離され、 研修所と呼ばれる研修を専門に行う施設などで行われるほか、研修を専門に行う外部の機関などで行われる。そのほか、仕事の現場で直接研修を実施するOJTなどがある。

 
 
 

メニュー方式の研修


仕事や研修に対するやる気には、個人ごとに大きな差があるものです。集合研修のグループワークでリーダーシップを積極的に発揮して研修で何かを学ぼうとする姿勢の強い方もいる一方で、研修中も身が入らず携帯ばかり気にして周りのメンバーに迷惑をかけている方がいるなど、個々人の差は大きなものです。
 
やる気のない社員に全体を合わせていては、研修のレベルも低いものになってしまいます。 企業の研修を全員一律に行うというのは確かに効率がよい面もありますが、能力や意識の差がついた社員に対して行う研修では、うまく機能しないこともあります。
やる気のない社員にやる気を出させるのは全体研修の場で行うことではありません。
 
それは日々の仕事の中やモチベーション向上のための研修の中で行われるべきものでしょう。 それではどのような研修にしたらよいのでしょうか。最近多くの会社で取り入れられている研修方式は、全員一律の研修を極力廃止して、受講者が複数の研修コースから自由に選択するメニュー方式の研修です。
 
もし、 研修コースを複数自社で開発できないというのであれば、社外の研修や講演会といったものもメニューとして加えることも可能です。自社特有のコアな部分の研修のみ自社で行い、それ以外の研修は社外に発注するのもよいでしょう。 このように研修をメニュー形式にすることのメリットは、熱意のある社員は、自ら伸ばしたいスキルの研修を選択して受講できるようになることです。
もちろん、会社側からも社員の適性と今後のキャリアプランを考慮して適切な研修を準備、受講させることが必要です。

 
 
 

知識型の研修とマインド型の研修


社員研修も大きく分けると2つのタイプがあります。1つは知識型の研修で、製品に関する技術的知識や業界に関する知識、ロジカルシンキングなどの考え方を学ぶ能力向上研修も、これに含まれます。
 
一方、マインド型の研修とは、コーチングやキャリア設計を考える研修、顧客満足度向上の研修など、社員のモチベーションや仕事に対するマインドを向上させるための研修が分類されます。知識型の研修は比較的多いのですが、日本の企業ではマインド型の研修にまだあまり力を入れていないようです。
 
企業にとって、社員の「知識・能力の向上」と「モチベーション・マインドの向上」は車のタイヤとエンジンのような関係です。たとえ雨道でも全力で走ることができる性能のよいタイヤが開発されても、それを動かすためのエンジンの性能が低ければ、せっかくの高性能のタイヤも宝のもち腐れになります。
社員の両方の能力 を伸ばして行くことが、人材の有効活用には必要なのです。

 
 
 

社員研修の意義とは


社員教育は、経営の最重要課題の一つであり、会社を発展させていくために不可欠な要素です。企業としては、やる気のある社員に能力を伸ばすことができる機会を与えることが重要です。公的機関でも各種研修や講座を開設していますので、これらを利用することも検討してみてください。